ポッペアの戴冠を見て思う

バロックと言えば。。。。オペラだったらモンテヴェルディ!

昨日は今年の3月に、国連とNYの日本歌曲の公演で私と一緒にアメリカに行って歌ってくださった阿部雅子さんがモンテヴェルディの傑作「ポッペアの戴冠」の抜粋でタイトルロールを演じられるのを見に行きました。

美しかった~♪
もー、気品ありながらの色気。そして言葉の扱い。
あまりのファムファタールっぷりに私クラクラ来ましたわ。
ネローネもあれにはやられますわ。。。

バロックの心地よい旋律の中、波乱万丈のとんでもない、でも、大変人間臭いドラマが心に迫る、上質な時間を過ごずことができました。

終演してふと思い出したのですが、彼女、この役を歌うのはもう何度目かなのに、ものすごい、まぁそれはそれはそれはものすごい練習をしていたのだったな、と。ああ、やっぱりたくさん良い練習をすると本当に素晴らしいものができるのだな、、、と心にストンとはまりました。

同時に、バロック音楽のオペラは日本人がやるのにあってるのじゃないかな?と、ふと思いました。本当はものすごくダイナミックなんだけれど、しっかり様式があって。でも、実は意外と自由で、というのは、能を頂点とした日本の舞台文化に通じるものが非常に多い感じがします。

海外の文化を取り入れる際には、日本の持つ特徴をどのように生かすか、が大事だと思います。どんなに素晴らしくても、かけ離れたものを取り入れるのではなく、多少は文化の親和性が高いものを、自由度高くやったほうが上手くいくのは企業買収と一緒。
言ってしまえば、私たちゲルマン人みたいにガタイよくないし。正直彼らが着ている衣装を着ただけで素っ頓狂に見えちゃうわけですからねぇ。それよりも、せめて背の高さとか似ている人が多い文化のもののほうがお洋服は似合いそうじゃない?っていうことなんですけどね。

当たり前ですが、お客様は瑕疵のある商品には絶対についてきてくれない。まずは、世界のだれが見ても「ここは良い」と言える「特徴がある商品」(全部が最高である必要はないのです。でも、少なくとも「これに挑戦!」とか「日本でもここまでできる」とかじゃない。)を顧客本位に提供することが第一歩。一般的な日本の商品マーケティングの世界では当たり前のことですが、芸術という言い訳を使うと、ついついその視点を忘れ易くなるように思います。自戒を思いっきりこめて、、、、

さて、楽曲そのもの、ということでは、日本には西洋が愛する、声楽、オペラの分野に、日本語で作曲された西欧に通じる一流のものがたくさんあります。それらの曲たちを、オペラを一つの芸術野頂点だとだと考えている西欧諸国に出していくことは、海外からの日本文化への尊敬、そして日本への尊敬を高めるよい手段。
日本の曲を素晴らしい演奏でよい商品に仕立てられるのは日本語を自由に操れる日本人が一番有利なはずです。

世界のクラシック業界でで日本の音楽と、日本人の演奏家が活躍する日が早く来て、日本がより世界から尊敬される国になってほしい。そして究極は日本の舞台芸能を世界でとても尊敬される文化に!私たちの活動Foster Japanese Songsはそんな思いで活動しています。

あれあれ、いつの間にか活動の宣伝になっちゃった。

Masako