Gitto先生とJoyce先生

木曜日は前期最後のオペラ研究所、Gioacchino Gitto先生の公開レッスンだった。ジット先生、トロントのご出身で大学もトロント。。。と聞いていて、もしや、、、と聞きたいことがあったのだが、打ち上げでもイタリア語だとすらすらとは話しかけられないし、英語で話しかけるのもちょっとなんか悪いし、、、って感じでお話しできずじまい。まぁ無理かな、、、と思っていたら、なんと、駅のホームで先生と一緒になりました!

聞きたかったのは、もしや私の敬愛するニューヨークの歌の先生、Joyce McLean先生を知っているのではないかと思った、、、ということ。ジョイス先生もジット先生も同じくらいのお年に見えたし、大学がトロントの音大ということで一緒だったので。

さっそく「英語でいいですか?」と聞いたところ「もちろん!」ということで聞いてみたら。。。やっぱりGitto先生はJoyce先生の大学の後輩で、彼女のことをよく知っていた!「彼女は素晴らしい、世界で活躍した歌手だったね!元気なの?」イタリアから来た先生と、日本でニューヨークの先生の話題で盛り上がるなんて!

そんなこんなで、気安く感じてくださったのか、駅のホームではあったが、ジット先生は色々歌のことを教えてくださった。今日彼が見た3人の男性歌手の特徴、今後何が彼らにとって大事になるか。それはなぜか。何よりもリラックスして歌うことが大切なこと。あごの力を入れないこと。喉とおなかは直結していること。遠くの人に話しかけるように歌うこと。
ホームでちょっと歌ってみろ、と言われ小さな声だけどミミの一節を(何と駅のホームで!)レッスンをしていただいてしまいました。ラッキー!

それにしての、ジョイスのことが話せて本当にうれしかった。彼女は3年前にアルツハイマーを発症して、公職を退いてしまったのだけれど、まだニューヨークにいるはず。。。彼女は私のニューヨークの母であり、家族であり、愛すべき年上の親友であり。。。お医者様を紹介してくださったり、大変な目に会っている私を助けてくれたり、ジュリアードの授業を受けられるようにしてくださったり。。。彼女がいなければ私のニューヨークの生活は成り立たなかった。去年まではまだ教えているようだったけれど、今年どこかで私はレッスンを受けにいけるのだろうか。。。

私がアメリカを去るときに「あなた、半年後の4月にオーディションを受けにニューヨークに来て、歌手になりなさい。それだけ表現する力があるのだから、歌手になるべきです。難しいお仕事をするそうだけど、あなたは歌手として生まれてきたと私は思う。10歳年をサバ読んで、すぐ来なさい。あなたは歌って生きていくべきです。」と言ってくださった彼女。
今、私は、ジョイスがあの時望んだような歌手にはなっていないけれど、歌手として、他の人にはできない活動ができている。 自信を持ってやっていけるのもジョイスの言葉があるから。歌手としてもより成長できるようにがんばらなくては、と思いを新たにしました。

というわけで、8月はたくさん歌う予定なので、宣伝、宣伝!今度のコンサート8月24日は、ジョイスに言われて始めたフランス語を中心に歌います。詳細はこちらからどうぞ~!